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  • 幸福について

    幸福について―人生論」を読む。

    ショーペンハウアーは1年ほど前に出逢って、正確には高校生の頃の教科書に載っていたのだろうが、結構はまっている。皮肉と言えるほどユーモアに富んだ彼の哲学は、今こそ読む価値を持っているように思う。

    全体の感想とは別に気に入った一節を紹介。

    或る人の状態がどの程度に幸福かを測ろうとするには、その人がどういうことを楽しんでいるのかを問うよりは、どういうことを悲しんでいるかを問うべきだ。

    そうなのですよ。しかし僕は問いかけるほどの余裕はなく、それほど前向きでもない。愚痴ってくれたらいいのに。気丈に振舞うアナタのことはよく知っているつもりだから。一方的に愚痴られるのは好きじゃないけど、時と場所と相手によるのです。

  • ロウフィールド館の惨劇

    ロウフィールド館の惨劇」を読む。

    犯罪者の異常な心理を描く名手、レンデルの会心作

    など聞いたので手に取る。推理サスペンスだと思っていたら、出だしから事件の真相、被害者、犯人、そしてその動機まで明かされる。何だこれはと読み進むと面白い。救いようのない犯人の心理にぞくぞく来る。結末を知ってからでも観て楽しめる(=怖がれる)ホラー映画のようだった。

  • 独白するユニバーサル横メルカトル

    独白するユニバーサル横メルカトル」を読んだ。唸るほど面白い。

    日本推理作家協会賞受賞作を含む短編集。8つの話はすべて、食人や拷問や暴力…死臭が漂ってきそうだ。しかしグロテスクな描写は手段。読者を巧みに物語の世界に誘い、そして離さない。気持ち悪いと思いつつ、先が気になるから引き返せない。

    グロが嫌いな人には壁投げ本。僕なんかには良作。

  • 薬でうつは治るのか?

    薬でうつは治るのか?」を読む。良書。

    薬でうつは治るのか、いや治らない(反語)という内容の本。近年の精神医学が薬物療法、生物学的理論に偏りすぎたことへの反発意見。薬を必要としている自分もうなずけることが多い。教科書として本棚に納めて良いと思える一冊。

  • 死の棘

    死の棘」を読む。

    恐ろしいほど深甚なテーマを描いた傑作。間違いなく傑作と言えるが、この作品を読むことによって愉快になろうなど決して思ってはいけない。息がつまるほど生々しい愛と憎悪のやり取り。根底にあるテーマは愛、夫婦の絆であろうが、それを感じ取るには覚悟を持ってこの小説と向き合う必要がある。

    思いやりの深かった妻が、夫の「情事」のために突然神経に異常を来たした。