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  • 時生(トキオ)

    時生」を読む。

    不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。過去、現在、未来が交錯する物語。

    東野圭吾は直木賞受賞をとったから読んだ作家。僕は流行好き。「容疑者Xの献身」をはじめ他にも何作か読んだけどピンと来てなかった。飽きもきたのでもういいやと思っていたところに、読書で信頼のある人から「時生」は面白かったよ、と聞く。読む。久しぶりに涙。

    物語としてはありきたりで、しかもその結末がごく初期に予想できてしまう。そうなると読者は期待通りの展開を想像しながら読むわけだけど、その上で終盤にホロリとさせられ、エピソードを読むころには涙をぐっとこらえている自分がいて、少し驚いたりした。

    文庫にしては少し厚めだけどスラスラ読める。でも時々本を閉じて自分だったらどうすっかなーとか考えたりした。力もないのに威勢を張る主人公に自分を重ねて、恥ずかしくなったりもした。これを読んで、人はなぜ生まれてくるのか、なんて難しいことを考えることもできるのだろうけど、気軽にサクッと読むと楽しめる一冊。ぜひぜひ。

  • 永遠も半ばを過ぎて

    永遠も半ばを過ぎて」は本当っに面白い。

    名うての詐欺師が出版社に持ち込んだ謎の原稿。いったい誰が書いたんだ?これが文壇の大事件となって……。快調らもワールド!

    中島らもの大好き。その中でも特にと言われたら「今夜すべてのバーで」と「永遠も半ばを過ぎて」をオススメする。

    ドラッグと酒でラリって美しい文章を産み落とす写植打ち、タニシ1個を1億円で売ろうとする詐欺師、婚期をとっくに逃した編集者の女。3人が紡ぎだす物語はまさに中島らもの真骨頂。引っ張られるように、あっと言う間に読みきってしまうこと間違いなし。

    余談1、映画「Lie lie Lie」の原作。

    余談2、作中で「製本」について語られる部分がある。ここは圧巻!印刷業の経験を持つ作家ならではなのだろうが、美しい「本」とはどんなものかが判る。