カテゴリー: 本

  • 「心理テストはウソでした」を読む

    「心理テストはウソでした」を読む。

    世に広く普及している心理テスト、しかも遊びではなく「適性検査」と言われるものの多くが、実は著しく信頼性を欠く詐欺同然の代物だと説明してくれる。きっちり科学的に。

    知ってる人は知っている。就職試験によく用いられる「内田クレペリン検査」も、血液型で性格を分類する「血液型人間学」も、インクのしみを見た感想で精神状態を分析する「ロールシャッハ法」も、質問にYESかNOで答えさせ性格を分類する「YGテスト」もバッサリと切り捨てられる。

    血液型と性格については「半ば冗談」という暗黙の了解の上で、会話が成り立つこともあるけどねえ…逆に言うと、そこまで嘘が浸透しているってことなのか。

  • 自分のために「もし部下がうつになったら」を読む

    「もし部下がうつになったら」を読む。

    超がつくほど判り易く書かれた「うつ」の入門書。そして、それに対応するための実戦書。

    先ず、日本でうつ病が増え続けている理由を知る。終身雇用制度が終り、成果主義が導入された結果である。職場のストレスは増大しているのだ。年間3万人(毎日80人)を数える自殺者の動機も、以前は「将来を悲観して」が多数だったが、「仕事の負担」が増加していると言われる。

    この本で一番良かったは、うつの人の話を聞いてあげる場合の3ステップが紹介されている部分。よく「がんばれ!」は禁句だと言うが、では実際にどうすれば良いのか?それは、

    1. 受容:相手の話を聞く用意がありますと態度を示すこと
    2. 傾聴:相手の話を同じ立場に立って聞く。ただ相槌を打つだけではない。例えば、Yes/Noを迫られるような質問をされても、あなたはどう思う?とオウム返ししてしまう。一見ずるいように思えるが、これを行うことで真意が相手に伝わる。
    3. 共感:人間とは誰かに共感されることで、心が落ち着く生き物なのです。

    くり返しになるが、

    人間とは誰かに共感されることで、心が落ち着く生き物なのです。

    この一文を読んで、深く深く納得した。カウンセリングとは答えやアドバイスを示す必要はなく、非指示的なものでOKなのだ。愚痴を聞いて、相談に乗って、一緒に考えて…とにかく忍耐が必要な作業だ。でも大切な友人や同僚のためにできることはあると知る。

    後は職場での具体的ノウハウが簡単に紹介されている。企業の社会的責任(CSR)を果たす立場の人間(=上司)は常識として知っておくべきことだと思う。メンタルケアもこれからのマネジメントに必須の能力であろうから。

    本書内で取り上げられる事例は、自分自身の体験と被って、心が引き裂かれる思いをした。

  • 写真集「BABY BLUE SKY.」

    「BABY BLUE SKY.」を観る。

    蜷川実花、1999年の作品。

    今の彼女がよく言われる、原色が主張する特徴もある。けど、その原色が構図のほんの一部分だったり、原色と言うよりパステル調だったり、やはり今とは随分違う。

    そんな所が見つけられて面白い。流行にのって蜷川さんを知り、遡るように彼女の作品に出逢うのも、楽しみ方のひとつだ。これもまた幸せ。

    絵本のような可愛らしさを感じる写真集。

  • 原爆の日に「夕凪の街桜の国」を読む

    「夕凪の街桜の国」を再読。

    初めて読んだのは3年前だったかな。夏だから手にして、それから8月6日に読み直している。ほのぼのとした優しい絵、静かに描かれた物語。そう、これは「物語」なのかもしれない。でも、この日を見つめるに価値のあるマンガ。

    このエントリーをする前にネットを検索したら、今年、映画化されたようだ。

    (参照)
    映画「夕凪の街 桜の国」

  • ホラー「D‐ブリッジ・テープ」を読む

    「D‐ブリッジ・テープ」を読む。

    近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。(中略)テープには彼の凄絶な告白が…

    第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。微グロ。悪食や自傷をテープに録音された声だけで描く試みは面白い。けど、ま、こんなもんか。新人にしては上出来か。耐性のない人には十分グロいのだろうけど。ホラー小説の、あくまでひとつの「型」にはまっていてそれなりに読める。

    (以下、ネタバレになる可能性がある。)

    ホラーとはまったく別の意味で、この季節だから思い出したのだけど、「火垂るの墓」をリスペクトしているような…