カテゴリー: 本

  • 「異人伝―中島らものやり口」を読む

    「異人伝―中島らものやり口」を読む。

    代表作である「今夜、すべてのバーで」や、すべて直木賞の候補とまりだった「人体模型の夜」「ガダラの豚」「永遠(とわ)も半ばを過ぎて」などの作品が生まれた経緯。もう時効でしょ、と言わんばかりにぶっちゃけた酒とドラッグの日々。ロックの魂。そして愛。内容はこれまでに何度も触れられたエッセイを再構築したものが多い。しかし、過去の作品と違って、本人の素の言葉(大阪弁)で語られている故か、中島らもをとても身近に感じた一冊。

    3人の人間から35歳までに死ぬと宣告され、自身もそう信じていた男の自伝。2004年7月、その死の2ヶ月前に出版されたこの本は、どこか彼の遺言のようにも思える。これからも僕は彼の作品を何度も何度も読み直すだろう。

  • できたら嬉しい「簡単にできる!セロトニン「脳」活性法」を読む

    「簡単にできる!セロトニン「脳」活性法」を読む。

    僕が服用している薬は大きく分けて3つ。抗うつ薬、抗不安薬(精神安定薬)、睡眠薬。この内、抗うつ薬は、選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)と呼ばれている。まあ、脳内伝達物質をコントロールする薬。うつになってから知ったセロトニンというもの…このバランスが崩れるといかんらしい。

    ではどうすれば良いのか。自然の通り、朝起きて太陽を浴び、適度な運動と休憩をとり、夜はきっちり眠る。あらためて1冊の本を読んでみても、至極単純、当たり前のこと。何を悩んでいたのか、不思議なくらい。確かに、反省することが多すぎる生活。早寝早起き、お酒は適量に。それを再認識させてもらえた。あとは実戦。

  • 「クトゥルー神話の本―恐怖作家ラヴクラフトと暗黒の宇宙神話入門」を読む

    前々から、と言うか、読んだり観たりする作品によく関わりのあるクトゥルー神話に関して。

    「クトゥルー神話の本―恐怖作家ラヴクラフトと暗黒の宇宙神話入門」は、絵図が多くて判り易い。これまで何となくクトゥルー神話に関係しているんだろうな、と思っていた作品を深く理解するきっかけになった。

    同時に「クトゥルー神話事典」も興味のわく項目を飛ばし読む。これも手元に置いておけば、関連した本を読む時に随分役立ちそうだ。

    一般的に宗教とか思想と言われるものが、人の切磋の中で生まれたものとするなら、これは明らかに「造られた」体系。それがとても面白い。

  • この日だからこそ「東アジアの終戦記念日―敗北と勝利のあいだ」を読む

    「東アジアの終戦記念日―敗北と勝利のあいだ」を読む。

    政治的、民族的、何にせよ主張するのが苦手なもんで、かなり曖昧に感想を書く。

    「大東亜戦争」「太平洋戦争」「15年戦争」「アジア・太平洋戦争」そして「侵略戦争」など、呼び方も様々なこの戦争の終結を、僕の住む国では8月15日としている。その日付にはどんな意味があるのか?他国では?それを考えさせられる一冊だった。

    史実は、日本が連合国によるポツダム宣言を受諾したのが8月14日。降伏文書に調印したのが9月2日。8月15日は、天皇が日本国内に向けて降伏を告知、いわゆる「玉音放送」をした日であるにすぎない。しかも、この放送は前日に録音されている(←これ常識?僕は初めて知った)。

    僕は、できればギスギスせず、ナアナアで生きていくのが好きだ。けど、隣人といつでも話ができる人でありたい。本音で。本音を言うための常識を持ちたい。過去、歴史は繰り返すと言われたが、それは間違いで、歴史は螺旋なのだ。同じ場所を回るのではなく、絶えず上に向かう。絶えず幸せを目指すために人は勉強しなくちゃいけない。1年のこの季節だけで良いから、螺旋の一回層下にあった過ちを繰り返さない為の勉強をしなくてはね。

  • 面白い切り口「オタクで女の子な国のモノづくり」を読む

    「オタクで女の子な国のモノづくり」を読む。

    「オタク」とは、以前は「職人気質」とか言われていた部分。アトムに端を発する二足歩行ロボットへの拘りとか。また「女の子」とは、島国日本の平和的思想のこと。女性とはやはり平和の象徴。逆に、仮想でも良いから絶えず「敵」を必要とする某国は男性的に思う。

    これまでもくり返し説かれてきた、日本という土壌で成熟した「ものづくり」文化を、現代の事例に置き換えて書いている。日本的感受性や情緒を基板とした「ものづくり」が、日本の経済を支えていくのだ。ってことが言いたいのだろう。グローバル・スタンダードよりヒキコモリで行こう!?

    独特の表題と、帯に書かれたローゼン麻生氏(2007/8現在、日本の外務大臣w)のコメントが目を引く一冊。地味に付けられた副題「Neo Genesis of Geeky-Girly Japanese Engineering」もエヴァを意識していて笑えた。