投稿者: momozome

  • 「インターネットは誰のものか 崩れ始めたネット世界の秩序」を読む

    インターネットは誰のものか 崩れ始めたネット世界の秩序」を読む。

    インターネットの一部を生業としている僕が、お客さんと話をする時に使う言い回しがある。「今は、テレビが目標。電源を入れてチャンネルを変えるだけで、多種多用な情報が手に入る。それがインターネットのあるべき姿ですよ」と。裏側で何がどう動いているか知らなくても使える物であること、それが理想。本当は利用するだけの人は知らなくて良い領域。

    しかし、文字と印刷の発明と肩を並べるほどのインターネットという情報技術は、これまでになかった速度で発展している。熱く。発信する側より、受取る側のニーズが次々と反映していく。

    今、生活の基盤となったインターネットが、実は多くの問題点を孕んでいると知ることができる一冊。元々関心のある人にとっては常識であることが、このように知らなくても良い人達を前提に判り易く書かれた本が出ていることを知って、焦燥感を覚える。

  • 「そして殺人者は野に放たれる」を読む

    そして殺人者は野に放たれる」を読む。

    帯にこうあった。

    本書は、愉快な書物ではありません。あまりにも深刻な事件が多すぎて、ご気分を害されることもあるでしょう。

    著者の日垣隆氏、批判する対象を完膚なきまでに、攻撃的に罵倒する筆致が特徴と言われている。読後、ただ単純に、刑法39条は撤廃すべきと思った。まいった。

    もちろん一冊の本を読んだけで端的思考に陥るのは愚の骨頂なわけで。でも、この刑法を持つ国に生まれ育ち、生活している人として、知って然るべき内容に触れた。己が犯罪被害者になることは他人事ではない。そう繰り返し説かれても、そうなるまで判らない。

    恐ろしい思いをした。重く、重く考えさせられる。

  • SFサイバーパンク最骨頂「ニューロマンサー」を読む

    ニューロマンサー」を読む。

    避けては通れない作品と知りつつ、何度も難解な文書に跳ね返されてきた。今週末、読了。一度ひきこまれたら止まらなかった。すさまじい世界観。この本を読むこと自体が、ニューロマンサーを体感するかのような快感。

    SFという世界にサイバーパンクを完全に定着させた作品、その功績はあまりにも巨大であると評される一冊。その通り、まさに傑作と言うに相応しい作品だった。

    正直、読み手にはまったく優しくない。続けざまに意味不明な言葉が羅列し、今書かれていることが何時、何処、誰のことか掴み難い。自分の頭を少々おかしいテンションにしたくらいで、ちょうど良く楽しめる。それこそリアルとバーチャリアルを行き来するような感覚で。

    好き者には大いに薦めるけど、サイバーパンクってなに?な人は読めないだろうな、こりゃ。

    背表紙に書かれているあらすじ。これ、IT革命も起きていない、20年以上も前の本ですよ。

    ハイテクと汚濁の都、千葉シティの空の下、コンピュータ・ネットワークの織りなす電脳空間を飛翔できた頃に思いを馳せ、ケイスは空虚な日々を送っていた。(…中略)ヤバイ仕事の話が舞い込んできた。依頼を受けたケイスは、電脳未来の暗黒面へと引き込まれていくが…

  • 「光」中谷美紀

    光 中谷美紀写真集」を観る。

    中谷美紀(Love)、2003年の写真集。追いかけてもキリがないので、古本屋でうまいこと見つけたら買えば良いや…と思っていたら、職場のオジサマから「かぶったからあげる」と。やった。

    もう彼女は、女優やタレントという枠を超越している存在。もちろん自身が美しいのは間違いない。撮影場所の沖縄、石垣島や西表島が美しいのも間違いない。ただ、そこに彼女がいることで、風景と完璧に重なり合い、僕の中に言葉にできない感動を生み出す。

    人間の知恵でははかり知ることのできないこと、それを神秘と言うのなら、この写真集が神秘。

    以上、無条件で中谷美紀(Love)ファンがお届けしました。あー至福。

  • おすすめ「辰巳芳子の旬を味わう―いのちを養う家庭料理」を読む

    辰巳芳子の旬を味わう―いのちを養う家庭料理」を活用している。

    たまきさんの記事を読んで買う。和食を中心に約110点、和食に限らない、家庭料理が丁寧に紹介されている。

    ひとつの料理に見開き2ページ、左頁に写真とレシピ、右頁にその料理の背景や由来など、味わい深いエッセイが書かれていて面白い。細かな心遣い、旬を尊ぶ意味、随筆と言っても過言ではないほど、著者の料理へ対する思いが伝わってくる。買ったのが1ヶ月くらい前…すでに台所でヨレヨレになりはじめた一冊。

    「まずはゆでる!」でも実感したんだけど、野菜にほどよく、つまり栄養分を壊さずに、かつ一番美味しい状態にまで火を通すってのは極意。例えば、おひたしなど。本当っに奥が深い一品なんだと判る。僕が通うお店で言えば、飯田橋のMとか、大塚のEとか、野菜にかけている繊細な手間と心遣いはすごいと思う。

    ついでに和食と言うか、家庭料理で僕の一生ものは、

    母だな。子供(俺弟妹)の健康を考えて食材を選び、いつも学びながらいろいろな料理に挑戦してきた偉大な人。基本は全て母に教わった。因みに、食にウルサイ兄弟が揃って口にすることなんだけど、母の春巻きは絶品。あと煮物は誰も適わない。

    小林カツ代の基礎のおかず」は、安い、簡単、旨いレシピがたくさん。しかも文庫サイズなので料理しながら片手で使える。安いから汚れても何とも思わないし。そもそも小林カツ代の気さくな料理が好き。その息子ケンタロウの、もっと気軽に料理を楽しもうって考え方も、この母あってこそだと思う。料理は愛情!(ぱくり)なんだな、やっぱ。