自分のことだった「妄想に取り憑かれる人々」を読む

妄想に取り憑かれる人々」を読む。

最もふさわしくない場面で、最もふさわしくない想像をしまう精神(こころ)。強迫性障害において世界的権威である著者が、一般人にも判りやすく説いた心理学の書。

僕も妄想に浸る方だと思うが、ここに書かれている症例は、正直、恐ろしい。妄想だけに留まるのなら他人に害はない。本当に恐ろしいのは、自分自身がここまで「脅迫的」な妄想に陥ることだ。

性的・暴力的な妄想・衝動の具体的事例と、それを対処的に治療する術について書かれている部分は身の毛もよだつ。そして、一過性の妄想…ちょっとした想像や予測、誰しもが経験しているはず事実を再認識することになる。

ひとつ面白かったのが、進化論的見地から捉えた妄想。いつもエロいことばかり妄想している人の方が、あまりエロいことを考えない人より子孫を多く残すらしい…ってこと。俺か。

思考は過度に抑制しようとすれば、より深まってしまうのが常。自分の妄想に罪悪感を覚えたとき、さらに非現実な思考に陥るよう、人間はできている。非常に興味をそそられる一冊だった。

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