目次
第1部 (来るべき世界/僕の人生のかけら/電子記憶と生物学的記憶の出会い)
第2部 (仕事/健康/学習/現世から来世へ)
第3部 (革命を生き抜け/さあ、はじめてみよう/未来)
IT界の重鎮ゴードン・ベルが語るライフログのすすめ。序文をビル・ゲイツが書いている。人生の全てを記録に残す時代は到来した。その為の技術はすでに実用レベルに達しており、後は人の意識変革を待つのみである。啓蒙の段ではあるが非常に魅力的な一冊。
人の記憶力には限界がある。だが、自分の見聞きしたもの、触れたもの、そして普段は気にかけない自分の位置情報や生体情報まで、人生の「すべて」をデジタルに記憶させれば、いつでも簡単に検索して取り出すことができる。仕事に役立つのみならず、病気の兆候を発見することや、まるでSFのようなアバターに人生を語らせることもできるかもしれない。
すでに実践をはじめている著者以上に、自分自身から有用なアイディアが浮かんでくる。GTDでよく言われる「頭の中をからっぽにする」に通じる仕事術としても利用できそうだ。僕は非常に興奮しながらこの本を読んだ。
逆に、生活の「すべて」を記録するなんてとんでもない!と言う人は多いだろう。しかし著者は、メリットはあってもデメリットはない。と断言している。
例えば、不幸や悲惨な記憶をも全て記録しておくべきだとすすめる。再生しなければよいだけなのだから。ひょっとして歳月を経た頃、その出来事を思い出したくなるかもしれない。もちろんプライバシーとセキュリティはもっとも留意されるべき問題だ。さらなる技術革新とリテラシーや規制が必要になるが、必ず解決されるだろうと述べる。
産業革命の時(現在でも)、人間は自然に戻るべきだと口にする人はいた。ライフログに対しても拒否反応を示す人は多いだろう。しかし確実なのは、僕らが望まなくてもライフログ革命は起きているということだ。賛成、反対を問わず。
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