1944年のスペイン内戦で父を亡くしたオフェリア。ある日屋敷の近くのうす暗い森の中に秘密の入り口を見つけた彼女は、妖精の化身である虫たちに導かれ迷宮の世界へと足を踏み入れる…
何と陰惨で残酷なファンタジーだろうか。劇薬のような作品だった。圧倒的な現実からの逃避としてファンタジーは存在する。そう確信させられるような作品。暗澹とした雰囲気、大人たちの非情、その先に描かれる美しい映像。
全てがたまらなく自分好み。戦時中という背景と悲惨な現実が「ヒトラー」を、不気味で暗い雰囲気で「デリカテッセン」と「裸のランチ」を、そして美しく想像豊かな映像で「ザ・セル」を連想した。
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