帯より。
2001年9月11日、アメリカで4機の旅客機が、次々とビルに激突、または墜落した。そのとき、”敵地”にいた一人のアメリカ人青年は、世界中の”大きな誤解”に気づいていた。
1993年、K2登頂に失敗したアメリカ人登山家グレッグは、パキスタンの山村で助けられる。それから彼はパキスタン、そしてアフガニスタンで学校を作ることになる。現地の文化を尊重しながら、イスラム教にもキリスト教にも西洋にも寄らない、中立の教育を子供に提供しようと奮闘する。サクセスストーリーでも自画自賛の物語でもない純粋なノンフィクション。
彼は言う。
善良な市民がいて、テロリストがいます。でもそのちがいは教育があるかどうかだけなんです。
無知は貧困を生む。貧困は歪んだ思想を生む。そして憎しみが生れる。
テロに打ち勝つ唯一の方法は、彼らに愛され、尊敬されること。そのたまにはまず彼らを愛し、尊敬することです。
隣人を愛せ。どの宗教にもある言葉。宗教どころか道徳、いや人の性質だろう。世界のかたちを知り、隣人を知るために教育はとても大切なものだ。
彼は現地で1万2千ドルで1つの学校を建てる。それは何世代にもわたって、何千何万もの子供に教育をほどこす。一方、9.11後の戦争で数百発も打たれた巡航ミサイルは1発84万ドル。それは学校を一瞬で灰にする。正しい選択をできるように、僕も学び続けよう。
この本はノンフィクションで内容も重い。でも次々と物語のような出来事が起こり、グレッグとそれに携わる人々は魅力的で、メッセージを受け取ると同時に楽しむこともできる。おすすめの一冊。
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