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  • 「その科学が成功を決める」のメモ

    その科学が成功を決める」を読んだ。

    帯の「それでも啓蒙書を読みますか?」の問いが刺激的。多くの啓蒙書は化学的な根拠に乏しいことが多い。個人の成功という根拠に頼るのではなく、論理的・客観的にモノゴトを判断することが大事だという、それはもっともだということが主旨。

    自己啓発や人間心理で信じられていることを、心理学の研究成果から徹底して検証したいる。とても関心を引く書きぶりで、気楽に面白く読めた。誰かに話したくなるようなネタもちらほらある。とりあえずダイエット(P.177)を実践してみるか。

    莫大な数の被験者を対象群・非対象群にわけ、徹底してデータを収集し、客観的に分析する。それが科学だ。幸福、成功、自己実現、決断、子どもの教育、さまざまな分野で、一流科学誌に発表された実験の数々をもとに本当に科学的な「自己啓発」のヒントを具体的にあたえる。

    以下に読書メモ。
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  • 常識「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」

    今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈1〉
    今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈2〉
    を読んだ。

    テロリズム、エネルギー問題、原子力、地球温暖化など、問題の多くに科学が関わっている。著者はUC Berkeleyの物理の教授で、原著のタイトル”Physics for Future Presidents: The Science Behind the Headlines”が示すように、政治的な指導者が身につけておくべき、最低限の「使える科学的知識」を講義したもの。

    人倫には逆らえても、物理には逆らえない。法理には逆らえても、物理には逆らえない。事実を知ることで、口先だけのうまい話にだまされないようにしたい。科学的知識がなければ、選挙で正しい選択をすることもできないのだから。

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  • 若者殺しの時代

    若者殺しの時代

    クリスマスが恋人たちのものになったのは1983年からだ。そしてそれは同時に、若者から金をまきあげようと、日本の社会が動きだす時期でもある。「若者」というカテゴリーを社会が認め、そこに資本を投じ、その資本を回収するために「若者はこうすべきだ」という情報を流し、若い人の行動を誘導しはじめる時期なのである。若い人たちにとって、大きな曲がり角が1983年にあった―80年代に謎あり!ずんずん調べてつきとめた。

    タイトルほど過激な内容ではないけど、今のありようを面白い視点から見ることができた。「若者」というカテゴリーを社会が認め、そこに資本を投じ、その資本を回収するために「若者はこうすべきだ」という情報を流し、若い人の行動を誘導しはじめる時代。「いまの社会の要請に応えない」ことで逃げる上で、伝統文化を身につけることがひとつの手立てであるというのは大いに頷ける。

  • スリー・カップス・オブ・ティー

    スリー・カップス・オブ・ティー

    帯より。

    2001年9月11日、アメリカで4機の旅客機が、次々とビルに激突、または墜落した。そのとき、”敵地”にいた一人のアメリカ人青年は、世界中の”大きな誤解”に気づいていた。

    1993年、K2登頂に失敗したアメリカ人登山家グレッグは、パキスタンの山村で助けられる。それから彼はパキスタン、そしてアフガニスタンで学校を作ることになる。現地の文化を尊重しながら、イスラム教にもキリスト教にも西洋にも寄らない、中立の教育を子供に提供しようと奮闘する。サクセスストーリーでも自画自賛の物語でもない純粋なノンフィクション。

    彼は言う。

    善良な市民がいて、テロリストがいます。でもそのちがいは教育があるかどうかだけなんです。

    無知は貧困を生む。貧困は歪んだ思想を生む。そして憎しみが生れる。

    テロに打ち勝つ唯一の方法は、彼らに愛され、尊敬されること。そのたまにはまず彼らを愛し、尊敬することです。

    隣人を愛せ。どの宗教にもある言葉。宗教どころか道徳、いや人の性質だろう。世界のかたちを知り、隣人を知るために教育はとても大切なものだ。

    彼は現地で1万2千ドルで1つの学校を建てる。それは何世代にもわたって、何千何万もの子供に教育をほどこす。一方、9.11後の戦争で数百発も打たれた巡航ミサイルは1発84万ドル。それは学校を一瞬で灰にする。正しい選択をできるように、僕も学び続けよう。

    この本はノンフィクションで内容も重い。でも次々と物語のような出来事が起こり、グレッグとそれに携わる人々は魅力的で、メッセージを受け取ると同時に楽しむこともできる。おすすめの一冊。

  • ライフログのすすめ

    ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する!

    目次
    第1部 (来るべき世界/僕の人生のかけら/電子記憶と生物学的記憶の出会い)
    第2部 (仕事/健康/学習/現世から来世へ)
    第3部 (革命を生き抜け/さあ、はじめてみよう/未来)

    IT界の重鎮ゴードン・ベルが語るライフログのすすめ。序文をビル・ゲイツが書いている。人生の全てを記録に残す時代は到来した。その為の技術はすでに実用レベルに達しており、後は人の意識変革を待つのみである。啓蒙の段ではあるが非常に魅力的な一冊。

    人の記憶力には限界がある。だが、自分の見聞きしたもの、触れたもの、そして普段は気にかけない自分の位置情報や生体情報まで、人生の「すべて」をデジタルに記憶させれば、いつでも簡単に検索して取り出すことができる。仕事に役立つのみならず、病気の兆候を発見することや、まるでSFのようなアバターに人生を語らせることもできるかもしれない。

    すでに実践をはじめている著者以上に、自分自身から有用なアイディアが浮かんでくる。GTDでよく言われる「頭の中をからっぽにする」に通じる仕事術としても利用できそうだ。僕は非常に興奮しながらこの本を読んだ。

    逆に、生活の「すべて」を記録するなんてとんでもない!と言う人は多いだろう。しかし著者は、メリットはあってもデメリットはない。と断言している。

    例えば、不幸や悲惨な記憶をも全て記録しておくべきだとすすめる。再生しなければよいだけなのだから。ひょっとして歳月を経た頃、その出来事を思い出したくなるかもしれない。もちろんプライバシーとセキュリティはもっとも留意されるべき問題だ。さらなる技術革新とリテラシーや規制が必要になるが、必ず解決されるだろうと述べる。

    産業革命の時(現在でも)、人間は自然に戻るべきだと口にする人はいた。ライフログに対しても拒否反応を示す人は多いだろう。しかし確実なのは、僕らが望まなくてもライフログ革命は起きているということだ。賛成、反対を問わず。

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