「夜市」を読む。
表題作「夜市」が日本ホラー小説大賞を受賞しているので手に取る。
不思議な雰囲気に浸れる短編が2つ。共に、道に迷うという不安感、不安の底にある期待感を絶妙に描いている。読み始め、話としては単純かと思ったが、魅惑的な世界に強く引き込まれてしまった。
ホラーでもあるが、和風ファンタジーとも言えそう。知らない場所に迷い込む怖さは映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」、その怪しい感じは宮崎アニメ「千と千尋の神隠し」を連想させた。
読んでいる間、異世界を体験できる。
「夏の庭―The Friends」を読む。
小学6年の夏、ぼくと山下、河辺の3人は、人が死ぬ瞬間を見てみたいという好奇心から、町外れに住むおじいさんを見張ることにする
デブ、ノッポ、メガネの3人組と頑固じじい。子供の頃に見ていた小さな世界と大人になることのギャップ。ありふれた題材を使いながら、他人への思いやり、人の死など、世代を超えて伝えられていく大切なものが描かれていた。
児童書とされているが、大人も懐かしさを覚えながら心動かされる作品。ああ、いい話だったなあ、と温かい気持ちになれる一冊だった。
(追記)
読みながら梨木香歩の「西の魔女が死んだ」を思い出すことがあった。同じく幼い頃の自分を想い、静かな感動が得られる作品。
「11分間」を読む。きっとまた読む。
ブラジルの田舎で生まれ育ったマリーアは、21歳になると広い世界に憧れてスイスへと発つ。そして22歳になった時、人気の売春婦になっていた。彼女がしたのは決断ではなく選択の連続だったのかもしれない。しかし彼女の中には強く前向きな意思が確かにあった。
マリーアの思い、語る言葉はとても美しく哲学的だ。世界と、ひとりぼっちで人生に立ち向かっていくために生まれてきた人。苦痛と屈辱とものすごい快楽。女と男。愛とセックス…短い、あるいは長すぎる人生の中で、人は様々な経験をして生きていくのだ。
読んでいる最中はとにかくエロくて、また、女性はこれほどまでの洞察と深慮を持ち合わせているのかと驚かされる。
男が自分は男なんだって感じるのは、勃起したときじゃないんだよ。女を悦ばせることができたときに自分は男なんだって感じるんだ
読み終えてみると純粋なラブストーリーだったとも思う。
愛は人の人生を一瞬のうちに完全に変えてしまうことのできる最初のものだ
著者パウロ・コエーリョ、すごいな。既読は「アルケミスト」、映画で「ベロニカは死ぬことにした」を観たことがある。他の作品も漁ってみよう。
本作も映画化するらしいが、監督ジャック・ニコルソン、描ききれるか。
良い映画を観た。久しぶりに映画館で涙。
シンプルなストーリーに織り込まれた深いメッセージ性と、素晴らしく力のある映像に驚嘆し、すごい!の一言しか出ないくらいの感動を覚えた。劇場を出てやや冷静になって尚、いろいろな思いが頭を過ぎる。もう一度スクリーンで観てみよう。
※ハリウッドが大枚かけたSF娯楽映画だと期待して観ると肩すかしを食らいます。僕自身も危うかったし、世間の評価が低めなのはこのせいかと思う。
2027年、子供が誕生しない未来、そう遠くない明日、人類だけが地球から消え去る
人は自身の一生よりも未来、子供に多くのものを期待するのだな。
(参考)
「トゥモロー・ワールド」(公式サイト)
(共感する批評)
今日も明日も映画三昧
超映画批評・8分間ワンカット、映画史に残る衝撃の映像体験
「はじめての“超ひも理論”―宇宙・力・時間の謎を解く」を手に取る。
私たちは50回目の宇宙に住んでいる!?「サイクリック宇宙」試論も収録!時間も空間も1個のひもから始まった―クオークの正体は何か。重力はいかにして統一できるか。第一線研究者がわかりやすく説く「究極の物理理論」
知的好奇心をバリバリ刺激された。
かなり時間をかけて最後のページまで辿り着いたが、悔しいかな、理解できたのは一部分だった。入門書に最適などの書評はあるが、物理学の基礎知識もない僕には難しい。数式が出てくるとお手上げ。それでも概説の部分で何とか雰囲気は楽しむ。
万物の根源とは何か…これまで人が哲学や宗教の中に求めてきた問いに対し、科学的に解答しようとする理論。試み。僕にはSFとの区別が付かないくらいだが、それほどに神秘的で興奮する挑戦だ。何と魅力的な学問か。
理解できた(と思われる)ところを自分用に箇条書き。
この理論が確立されるとどうなるか。
機会を見てより深く知りたいと思った。
(参考)
目で見る超ひも理論
超弦理論(WikiPedia)