投稿者: momozome

  • 中島らもを惜しんで「ポケットが一杯だった頃」を読む

    中島らも「ポケットが一杯だった頃」を読む。

    中島らもファンのコレクターズアイテム的な寄せ集め本。いくらCDが付いてるからって2500円は高すぎやしませんか?とご本人が生きていたら言いそうだ。楽しく読む。

    単行本などには未収録の作品、対談、エッセイが詰め込まれている。

    しかもCDまで付録に付いてくる。本人がパーソナリティをつとめた深夜ラジオ、FM大阪「中島らもの月光通信」から、ラジオコントを本収録。これが、悲しいほど笑えてツボにはまる。

    最近、中島らもの欠片集めをしている。本人が主役(著作や編集)の本だけでは満足いかず、単発で寄稿した文芸誌や、ちょっとした小冊子まで手をだして探している。実はこの1冊も今年の発売と同時に買って、やっと読んだ(聴いた)。

    酔っ払って、階段ですべって死ぬのも良いけど、あと、もう少しだけ生きていて欲しかった人だ。やっと、ほんの少しだけ、彼の深さが判る歳になってきた。気がするのだ。

  • 七瀬三部作「エディプスの恋人」を読む

    筒井康隆 「エディプスの恋人」を再読。

    これまでの「家族八景」「七瀬ふたたび」と続く作品の最終章。ご多分に漏れず、今作も趣がガラッと変わります。しかも表題で、精神分析かギリシャ神話をちょっと知っていれば、あっと言う間にネタバレする状況をつくり、こうも淡々と物語りを進めるかと。こうもファンタジックに昇華させるかと。こうも尻切れかと。

    Amazonのレビューに上手いこと言ってるのがあった。続編というものを否定する続編。その通り。三部作をうたい、これまでの作品を知らなければ意味不明。しかし、これまでの作品を読んでいると、なお意味不明。正直、罵倒です。でも、読み直したのは少なくとも3度目。これぞ筒井…なのかもしれない魅力。

    今回は、男の猥褻な妄想にさらされた七瀬って、どうなったんだっけ?と思いながら読んだ…ああ、そうでした、そうでしたと。

    ぜひ三冊まとめ読んで、どんな物語にもそれに見合った形式があるという筒井魂に触れるべし。期待は必ず裏切られる。だからこそ、名作たる三部作。

    (関連)
    七瀬三部作、家族八景
    七瀬三部作、七瀬ふたたび

  • 作家の描く絵本「STAR EGG 星の玉子さま」を読む

    森博嗣「STAR EGG 星の玉子さま」を読む。

    作・画、森博嗣。画!?この人、絵も描くのか。

    何画ってんだろうか…とても味わいのある絵に魅かれたってのが第一印象なんだけど、どうやって描いた絵なのか、ぜんぜん判らない。油絵をキャプチャして、解像度の低いJPEGにして、また何か小細工したような。とにかく絵本なのだ。絵本、絵を主体にしてものを伝える本、と魅力的。

    もともとミステリー作家として定評もあり、僕も好んでいくつか作品を読んでいる。物語は深遠にして、ちょっともの悲しいような…大人も、子供もちゃんと手に取れる本になってる。

    それにしても、文を書ける人が、絵も描けるなんてズルイ。そんなサプライズも含め、とても楽しめた。仕事に疲れた帰ったら、たりらら~んって、ページをめくって寝るのもいいかも。

  • 自分を知る勉強「「うつ」かもしれない 死に至る病とどう闘うか」を読む

    磯部潮「「うつ」かもしれない 死に至る病とどう闘うか」を読む。

    信頼でき、内容深く、かつ読みやすい本。

    プロローグに、

    本やインターネットから「うつ病」に関する情報を得ていることでしょう。(中略)「心のカゼ」であるとか、「薬を服用して休養を取れば治る」とか、「自殺は防げる」などと書かれています。(中略)「うつ」はそれほど安直な病気ではありません。

    とある。ここで信頼できそうな本だなと感じた。僕自身、風邪のようなものだとバカにしていた「うつ」に、今もしぶとくまとわりつかれているから。

    雑学の程度だが、心理学や精神学に興味はあった。そのおかげか、自分に「うつ」を感じたとき、抵抗なく病院へ行くことができた。いくつかの精神科や心療内科をまわり、じっくりカウンセリングを受け、薬を飲むようになった。まだまだ冷静だった。正直、「うつ」になった自分を観察して、楽しむとまでは言わないけれど、楽観視していたのだ。今は、けっこう苦しい。

    続いて、

    「うつ病」の人を励ましてはいけないと書かれています。(中略)確かに、うつ病が悪化しているときに励ますのは厳禁ですが、(中略)病状を遷延化(長期化)させる恐れがあります。

    とくる。他人がどうと言うのではない。自分で「今は頑張らなくて良いんだ」と言いきかせるときと、「今は頑張ろう」と気を引き締めるときが必要だと実感している。これを上手くコントロールできたら、きっと「うつ」から抜け出せる。

    周りの人にとっては、何てワガママな…って思うことでしょう…ゴメンナサイ。

    本書はさらっと読めたが、赤線とドッグイヤー(ページのすみを折ること)だらけの一冊となった。自分自身に関わることだし、ブログに書くことをモチベーションに、しっかり理解して「うつ」を退治してやります。あせらず、じっくり。

  • 梅田本「ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか」を読む

    ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか」を読む。

    発売から2日も経つのに、Amazonレビューが1件もない。下手にレビューしたら叩かれそうで怖いのか、読んだ人たちの心が揺さぶられていているのか…

    僕の場合、同著者による「シリコンバレーは私をどう変えたか」に感銘を受け、まさかの機会にお話をさせて頂いたことがあるので、梅田信者である。熱くなってしまった。

    直感的なことだけ。「リアル世界」の一部にバーチャルな「ネット世界」がある、というのが一般的な考え方だと思う。しかし、「ネット世界」を「もうひとつの地球」として、もっと大きなことをやろうよ。そんな気概を感じる。ネットリテラシーを身に付け、国家、民族を超えた人類の明日を築こう!ってな。大げさかな。啓蒙っぽい。

    先ずは飛ばし読んだので、Web上での論議を見て、少し間を置いて再読しようと思う。