「11分間」を読む。きっとまた読む。
ブラジルの田舎で生まれ育ったマリーアは、21歳になると広い世界に憧れてスイスへと発つ。そして22歳になった時、人気の売春婦になっていた。彼女がしたのは決断ではなく選択の連続だったのかもしれない。しかし彼女の中には強く前向きな意思が確かにあった。
マリーアの思い、語る言葉はとても美しく哲学的だ。世界と、ひとりぼっちで人生に立ち向かっていくために生まれてきた人。苦痛と屈辱とものすごい快楽。女と男。愛とセックス…短い、あるいは長すぎる人生の中で、人は様々な経験をして生きていくのだ。
読んでいる最中はとにかくエロくて、また、女性はこれほどまでの洞察と深慮を持ち合わせているのかと驚かされる。
男が自分は男なんだって感じるのは、勃起したときじゃないんだよ。女を悦ばせることができたときに自分は男なんだって感じるんだ
読み終えてみると純粋なラブストーリーだったとも思う。
愛は人の人生を一瞬のうちに完全に変えてしまうことのできる最初のものだ
著者パウロ・コエーリョ、すごいな。既読は「アルケミスト」、映画で「ベロニカは死ぬことにした」を観たことがある。他の作品も漁ってみよう。
本作も映画化するらしいが、監督ジャック・ニコルソン、描ききれるか。
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