自分のために「もし部下がうつになったら」を読む

もし部下がうつになったら」を読む。

超がつくほど判り易く書かれた「うつ」の入門書。そして、それに対応するための実戦書。

先ず、日本でうつ病が増え続けている理由を知る。終身雇用制度が終り、成果主義が導入された結果である。職場のストレスは増大しているのだ。年間3万人(毎日80人)を数える自殺者の動機も、以前は「将来を悲観して」が多数だったが、「仕事の負担」が増加していると言われる。

この本で一番良かったは、うつの人の話を聞いてあげる場合の3ステップが紹介されている部分。よく「がんばれ!」は禁句だと言うが、では実際にどうすれば良いのか?それは、

  1. 受容:相手の話を聞く用意がありますと態度を示すこと
  2. 傾聴:相手の話を同じ立場に立って聞く。ただ相槌を打つだけではない。例えば、Yes/Noを迫られるような質問をされても、あなたはどう思う?とオウム返ししてしまう。一見ずるいように思えるが、これを行うことで真意が相手に伝わる。
  3. 共感:人間とは誰かに共感されることで、心が落ち着く生き物なのです。

くり返しになるが、

人間とは誰かに共感されることで、心が落ち着く生き物なのです。

この一文を読んで、深く深く納得した。カウンセリングとは答えやアドバイスを示す必要はなく、非指示的なものでOKなのだ。愚痴を聞いて、相談に乗って、一緒に考えて…とにかく忍耐が必要な作業だ。でも大切な友人や同僚のためにできることはあると知る。

後は職場での具体的ノウハウが簡単に紹介されている。企業の社会的責任(CSR)を果たす立場の人間(=上司)は常識として知っておくべきことだと思う。メンタルケアもこれからのマネジメントに必須の能力であろうから。

本書内で取り上げられる事例は、自分自身の体験と被って、心が引き裂かれる思いをした。

[広告]

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください