「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」もイッキに読んだ。
感動した。科学モノとして一級品。
難解な暗号技術が判りやすくドラマチックに描かれている。物語としても暗号学の入門としても楽しめる。暗号に興味がなくても小説を読むつもりで気軽に手に取れる一冊。著者サイモン・シン、ただ者ではない。
本書は8つの章から成るが、一章ずつそのまま映画一本になるってほど話が濃い。僕の好きなところでエニグマの解読。今では一般人でも解読できるが、当時、戦争の裏でこれほどの物語があったとは。また、インターネットで誰もが利用しているRSA暗号、この発明のドラマは圧巻。
どの暗号の開発(そして解読)にも数多の人間の何十年にも渡る執念を感じる。多彩な学問領域の天才が国家レベルで召集され、ひとつの暗号が「創」られていく壮大さが印象的。
量子暗号についてもう少し知りたいという新しい欲求も生まれてしまった。
(関連)
「フェルマーの最終定理」イッキ読み
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