「日本語と日本人の心」を読む。名著。
日本語のあり方が,人間や社会にどのような影響を与えているのか.本書は言葉と心・身体・生き方との関わり,歴史・宗教・文化への影響をめぐり,創造と表現について深く思索する3人が,創作や心理療法の現場での豊富な体験をもとに徹底討議したシンポジウムと講演の記録をもとに構成する画期的な日本語・日本語文化論である.
紹介文にある3人とは、ユング研究の権威で心理学者の河合隼雄、ノーベル文学賞受賞の大江健三郎、そして「朝のリレー」でも有名な詩人・翻訳家の谷川俊太郎。
日本語は主語があいまいだと言われるが、これは文法的に省略されているからなのか。否。日本文化に主語をあいまいにする思想があるからだ。その思想とは…といったように今こそ必要な情報が論理的、かつ判り易く語られている。
グローバル化する現代で、母語と自分が生まれ育った文化に対する自信を持ち、一方でその問題点を考えることができた。
ただ歳をとっているからと偉ぶる人は嫌いだが、こんな先達の言葉は聴いておきたい。僕には宝となった一冊。人に強く勧めたいと思う一冊。刊行は10年以上前だって…もっと早く出逢いたかった。
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