星新一「声の網」を読む。
星新一の著、一時はまったので主なるものはだいたい読んでいると思っていた。この一冊は絶版になり、2006年に復刊していたもの。どうりで知らなかったはずだ。詳しい経緯は知らないけど、なぜ今、復刊したのか、読めば歴然。
すべての人が電話で結ばれている社会。そこにあるのは脅威か、安住か。作中の「電話」という言葉をすべて「ネット」に置き換えるだけで、空想的なSFがあっと言う間に、科学的なSFに変わる。マトリックスも真っ青な、サイバーパンク世界が絶妙にあぶりだされる。
12編の短編から成り、全て合わせて1つの世界を描いた傑作。
「死神の精度」と同じく、短編がつぐみだす長編の面白さ。お薦め。
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