「17人のわたし」の感想のコメントで知った本。いわゆる多重人格もの。ダニエル・キイスの「24人のビリー・ミリガン」よりも刊行が古い。
16の人格を持つ解離性同一性障害の女性シビルの生涯を描いた一冊。小説の形をとるが、実在する女性を診療した精神分析医の手配から著者が書き起こしているので、ノンフィクションである。
たいへんにドラマティック。他の人格を拒否していたシビルが、やがてそれらを受け入れ、統合へ歩を進める様子は感動的。治療を終えたシビルが、自らの苦難を振り返り、決してそれを否定していないことに私は深く心を動かされた。
[広告]