「17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義」を読む。
セイゴウを知る、二冊目。前回の本より判り易い。
と言うより、帯に大人は読んではいけません!
と書いてある意味が判った。あくまで「常識」のおさらい。細かい所をはしょって、とにかく今の世界の形がどのようにして出来上がったか、編集にとりかかる「前段階」への興味をかりたてるように書かれている。
例えば、4大文明はとっくに考古学的に否定されている。でも彼は4大文明って言葉を平気で使う。これは、義務教育に毛が生えた程度の子供(この本の表題によるなら17歳)に合わせて、レベルをかなり下げて書いているのだ。
僕が編集工学に興味を持っているのは、
- すでにある情報(データベース)を
- 工学(科学)的に編集して
- 価値を生み出す←ココ
なのだ。情報を収集する段階(常識)より先を知りたい。
人間の文化史を大局的、相対的に捉えた入門書としては(過不足もあるが)間違いなく名著。読む価値がある。逆に、そこまでに留まるので物足りない。大人は読むなってのに読んだのだから文句はないし、常識の復習にもなった。
大学での講義を元にした本で、口語調で読みやすい。セイゴウ節炸裂。頻繁に(笑)という表現が出てくるので、さぞユーモアに溢れた時間だったのだろう。具体例にも富み、この理論が机上の空論ではなく、多くの経験に裏打ちされているものだと実感した。
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