アーサー・ブラッドフォード「世界の涯まで犬たちと」を読む。
日経、日曜日の読書ページで知って手にとる。書評を先に読んだおかげで、タイトルから感じるような心温まる内容ではないことは判っていた。帯や多くの書評にあるように、とてもシュールな内容。
三本足の犬や1ダース全てが奇形の仔犬たち、ナメクジ、ネコ。物語の中で、それらの少し(いや、かなり)変わった存在は脇役である。彼らは主役である人の足りない部分を補う大きな要素として存在する。とてもグロテスクなのだけど、それこそが日常なのだと気付かされる。そんな世界を描けるのは小説ならではの醍醐味だ。
O・ヘンリー賞ってのをとっている有名作らしい。僕にとって素直に受け入れられる作品ではなかったが、とても印象的な短編集だった。
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