渋谷昌三「謝罪の技術」を読む。
イヤラシイ類の本ではなく、学べる一冊。
もっとも重要なのは、謝る側の誠意だ。(中略)だが、同時に謝罪がテクニックの問題であるということもまた、揺るぎようのない事実
人はなぜ謝罪するのか。それは、その後の良好な人間関係を築くためである。
謝罪に「技術」「テクニック」という言葉を使うと抵抗感を持つ人も多いだろう。謝罪とは誠心誠意であると。しかし、誠意とは、親密で濃密な関係にあってはじめて伝わるものである。社会では些細な過ちによって意にも介されなくなる場合がある。謝ることには工夫が必要なのだ。
また社会で、つまり多くの場合は仕事で謝罪する場合に、自己防衛や利得が目的となることは当然。ソーシャルスキル、一般常識と思って間違いない。
このような前提のもとで印象的だった内容は、
- 謝罪は、相手を恐れすぎず、強い意志でのぞむ。謝罪も対等な人間関係のひとつ
- いい訳は必須。根拠のない謝罪に意味はない
- 関係の薄い相手の方が怒りやすい。あるいは怒られるのは期待されている。後者でありたい
- プライドではなく自尊感情を持つ。自分に自身があればこそ謝ることができる
- コミットメントが重要。謝罪したら責任を持つ
小手先のテクニックも紹介されてはいるが、人と人との関係、コミュニケーションの基本を見直せる良書。非常に読みやすく、かつ内容は有意義。
本の良さのひとつに、自分が何を知っていて、自分は何をしらないのか、それを見直せることがある。その典型といえる。おすすめ。
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