「IQってホントは何なんだ? 知能をめぐる神話と真実」を読む。
知能は、脳という臓器のはたらきだと言うなら、肝臓の具合を示すγGTPのように、数値として測れてもおかしくはない。それどころか、測れたほうが社会的には都合がよいはずだ。さらに近年では遺伝と知能の関係も明らかになってきたらしい。しかし、これは差別や偏見を助長する。そんな理由から、公には、特に日本においてIQはなかなか語られることがない。
この本では、先ず知能研究に関する歴史が語られる。その中で、僕も小学生の頃受けた記憶のあるIQテストをはじめ、多くの問題点があることが指摘されている。
しかし研究は進歩を続けている。英国での60年に及ぶ大規模なIQ追跡研究などは面白い。IQが寿命にまで関わっているとの結果が示されている。やはり、頭が良いことは、生き残ること、なのだろうか。
タブー視される故か、あまり触れる機会の少ない知能研究について、入門的に書かれた興味深い一冊だった。
(関連)
心理テストはウソでした(同著者)
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