「聖女の島」を読む。
ホラーとミステリの要素を併せ持ち、読み進んでいる間、ずっと不安でストレスが溜まっていく。真実が見えない。幼くして性の悦楽を知った少女たちが集められた矯正施設での出来事。そしてラストに描かれる結末。
狂っていると怯える私は、正常な人間ということになる。奇妙なパラドックス。
この一文に込められた不快な経験ができる、久しぶりに嫌ぁな読後感を味わえた一冊。これ、冬のホラーとして売り出されたらしいが、やはり夏こそホラー。
皆川博子の作品は初めてだったが、良いね。次は評判(=悪評)高い「悦楽園」に手をつけよう。作者に見覚えあるなと思ったら、すでに積ん読であった。
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