「異人伝―中島らものやり口」を読む。
代表作である「今夜、すべてのバーで」や、すべて直木賞の候補とまりだった「人体模型の夜」「ガダラの豚」「永遠(とわ)も半ばを過ぎて」などの作品が生まれた経緯。もう時効でしょ、と言わんばかりにぶっちゃけた酒とドラッグの日々。ロックの魂。そして愛。内容はこれまでに何度も触れられたエッセイを再構築したものが多い。しかし、過去の作品と違って、本人の素の言葉(大阪弁)で語られている故か、中島らもをとても身近に感じた一冊。
3人の人間から35歳までに死ぬと宣告され、自身もそう信じていた男の自伝。2004年7月、その死の2ヶ月前に出版されたこの本は、どこか彼の遺言のようにも思える。これからも僕は彼の作品を何度も何度も読み直すだろう。
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