カテゴリー: 本

  • 炎上しないために「議論のルールブック」を読む

    岩田宗之「議論のルールブック」を読む。

    Webで連載されていた議論のしかたに加筆して書籍化。書籍になって改めて感じるのは、至極当然のことがきちんと示されているということ。何が正しい議論なのかを判りやすく、具体的に学ぶことができる。

    議論では、とかく自分の主張を通すことを最優先に考えてしまう人がいます。それは間違いです。本来、議論では相手の話を聞くことが最優先で、それに比べれば自分の主張はあまり重要ではありません。

    感情論に走らず、先ず相手の話を聞くことが第一歩。議論は自分の考えを押し付けることではない。勝ち負けを決めることでもない。

  • 「モテたい理由」を読む

    赤坂真理「モテたい理由」を読む

    少し変わった視点から書かれた男女論。

    社会が戦争は(考えることさえ)悪だとなった時点で、男の価値が下落することは判りきっていた。

    「モテ」「セレブ」「愛され」などの価値観が続々登場するのは、経済がフロンティアを女性に求めているから。なお「モテ」は関係性において優位に立つ(出し抜く)こと。

    女はマルチタスク。悪く言えば注意力が散っている。

    女性(の人生)は全てが連動しているから、最初からいっぺんに考えなければダメ。

    など、興味深い内容がならぶ。やや焦点があやふやだが、現代のキーワードを豊富に取り上げた文化論といえる。異性にも同性にも媚びない文体に好感。

  • 和製ホラー「よもつひらさか」を読む

    今邑彩「よもつひらさか」を読む。

    全12篇のホラー短編集。今邑彩の作品ははじめて。良くも悪くも感じたが、全部読んだ。

    先ず、良い部分。とにかくキレイな文体で、全体的に淡々としているのに、なぜか独特の味わいを感じる。また、ホラーと一言でくくっても、謎めいたミステリ、猟奇的サスペンス、社会問題を絡めたフィクション、和製ファンタジーと粒ぞろい。

    悪い部分は、読み始めたとたんにオチが判ってしまうのだ。そして、それほど怖くない。これはもう個人の趣向と言うしかないのだろうけど。これは読後、ネット上の書評を見ても、評価がまっぷたつに割れている。まあ、オチが判って、なお最後まで読ませる力はすごい。

    そんな理由で、ホラー耐性のない人もたまにはいかが?とお薦めできる一冊。ひとつのネタを短編で済ませてしまうにはもったいないかな…そう思わされるような濃縮された魅力ある一冊。

  • 常識は疑おう「トンデモ科学の見破りかた」を読む

    「トンデモ科学の見破りかた -もしかしたら本当かもしれない9つの奇説」を読む。

    表題の和訳(意訳)がひどいので誤解されそうだが、中身はれっきとした科学本。原題は「Nine Crazy Ideas in Science」。序章でも「トンデモ」と「デタラメ」は明らかに違うと指摘している。「トンデモ」と思えるものを「科学的」に検証する。

    とりあげられる話題は次の9つ。

    • 銃を普及させれば犯罪率は低下する
    • エイズの原因がHIVというのは嘘
    • 紫外線は体にいいことの方が多い
    • 放射線も微量なら浴びたほうがいい
    • 太陽系には遠くにもう一つ太陽がある
    • 石油や天然ガスは生物起源ではない
    • 未来へも過去へも時間旅行は可能
    • 光より速い粒子「タキオン」は存在する
    • 「宇宙の始まりはビッグバン」は間違い

    放射能は浴びた方が良いなどは、仮説があることすら知らなかった。それぞれの検証結果はぜひ本書で読んで欲しい。非常に面白くおすすめ。因みに、作者はタキオンを研究する物理学者である。ちょっと贔屓もあるのだろうか?笑。SF好きの僕も信じているけど…

  • 自分を知る勉強「人格障害かもしれない」を読む

    磯部潮「人格障害かもしれない どうして普通にできないんだろう」を読む。

    人格障害に関するよくある解説書。精神病と人格障害の違い(現実世界における判断脳略の有無)を説き、DSM(精神障害の診断と統計の手引き)を中心に人格障害について解説される。人格障害を10タイプに分け、それぞれの特徴、判断基準、具体例が挙げられるので、オーソドックスで初心者には優しい一冊。

    病前性格と疾患の関係性は否定されていると強調している点、人から見捨てられる不安(見捨てられ抑うつ)が境界性人格障害の原因ではないかと指摘している点、米国で生まれたDSMが必ずしも日本人に適しているか疑問を呈してる点、が興味深かった。

    具体例として挙げられる凶悪犯罪者、または著名人に対する当込みは強引な気もした。

    (関連)
    「うつ」かもしれない 死に至る病とどう闘うか…こっちは名著だと思う。