夏の葬列

夏の葬列」を読む。表題作を頭に9つの短編が納められている。

作者の山川方夫、芥川賞や直木賞の候補に何回か挙がるも35歳で亡くなっている。日本文学史から姿を消した稀有な作家である。など聞いて手に取る。

「夏の葬列」で痛恨の一撃を喰らうが、とても面白くて密度の濃い1冊だった。40年以上前に書かれた作品と、現代を生きる自分の心が何か同調するような感覚があった。特に印象深かったのは「お守り」、「煙突」かな。

で、この本を手に取った理由がもうひとつ。中学生の国語の教科書に、戦争の悲惨さを知るための作品として「夏の葬列」が納められていて、これを批判する意見を度々耳にしたから。(僕は読んだ記憶がないので、採用されてない教科書だったのかな)

確かに納得。反戦を思いながら読むと痛いしっぺ返しを喰らう。かなりキツイめのミステリーサスペンスだもの。お薦めの1冊ではあるのだけど、読む時は「夏の葬列」を後回し、が良いかも。

同年代に教科書で読んだ人がいそう。印象に残っているのではないかと。

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